大阪市 東成区 今里 鍼灸治療院リーチです。「ベーカー嚢腫」膝裏にできる塊です。これは膝関節の炎症からくる結果です。嚢腫の除去よりも炎症を起こさない正常な膝に戻すことが大事です。
※ここに書かれていることは目安です。確定には医師の診断が必要です。
どんな症状？
- 膝窩(膝の裏側)にぽっこりと膨らみができます。
- 膝が曲げづらい 正座がしにくい。
- 伸展時に膝裏に痛みを感じます。
※名称の「ベーカー」は最初にこの症状に言及した医師William Morant Bakerにちなみます。
初期症状
膝を曲げたときに違和感を感じるのが最初です。
痛みを感じることもありますがそれほどひどくはないので放置していると膝裏に膨らみを触知します。
この時点でお医者様に相談しても経過観察になることが多いです。
嚢腫の特徴
膝窩の中心線より内側にできます。
片側性ですが発症時期をずらして左右両側にできる場合もあります。
大丈夫と思っていた側も詳しく触ってみると小さめなのが見つけられる場合があります。
※似た症状に「深部静脈血栓症」があります。区別するために一度は医師の診断が必要です。
正座がしづらい
悪化すると膝が曲げづらく正座がやりにくくなってきます。
痛みはそれほどひどくなく塊が邪魔をして膝が曲げづらいように感じます。
しかしこの時点ですでに膝自体が正常な状態ではないと考えたほうがいいでしょう。
伸展時の痛み
屈曲時にも痛みはありますが伸展時に膝裏に痛みが出ることがあります。
好発は？
好発は男女比が1：2です。
統計的には40代以上の女性が多いそうですが当院の臨床では男性もいらっしゃいます。
男性の場合 ベーカー嚢腫を主訴に来院するというよりも別のことで来院してこちらが触診で見つける場合がほとんどです。男性はあまり気にしないので統計上上がってこないのかもしれません。
反張膝
反張膝の人はベーカー嚢腫の好発です。
反張膝とは膝関節が１８０°以上伸展することです。
バレエダンサーなどは
片足立ちしたときに反張していたほうが美しいとされるらしく無理にこの形になるようにするそうですがバレエ経験者はあまりならないようです。
浮き指
反張膝の人は体重が踵にかかりやすく浮き指にもなりやすい。
浮き指も ベーカー嚢腫 を作る一つの要素です。
原 因は？
ベーカー嚢腫ができていても
痛みを回避できることも多く
「できものができたのかな？」
ぐらいで関節の不具合とは
受け取りにくい場合があります。
変形性膝関節症のような鋭い痛みがない分
危機を感じにくいのです。
しかしベーカー嚢腫があるということは
膝関節が壊れる一歩を確実に進んでいます。
この状態から逃れないと改善されません。
なぜ関節包が膨らむのか？
嚢腫になってしまう滑液包は
関節腔と交通し滑液の供給を受けています。
関節の中で炎症が起こり滑液の分泌量が増え滑液包に渡る滑液も増え嚢胞になります。
しかし他の膝関節の障害に見られるような関節内の貯水や鋭い痛みはありません。
ベーカー嚢腫のでき始めには膝関節はそれほど壊れていないのではと想像できます。
それよりも
膝の上下の筋肉が拘縮して固くなっています。
これは関節腔が狭くなり故障が起こる前兆です。
後ろに突き出た大腿骨内側果が
反張膝のためにさらに後ろに出て
滑液包が半腱半膜様筋と腓腹筋内側頭の
腱に挟まれて関節腔との交通を遮断され
戻れなくなった滑液で膨らんでくる。
これがベーカー嚢腫の正体です。
一般的な治療
病院では
・穿刺して滑液包内部の液を出す。
・手術して嚢胞ごと取り出す
という処置が一般的です。
でもこれは結果の除去であって
原因となる「膝関節の不具合」を
治しているわけではありません。
せっかく気づけた膝の不具合はそのままです。
当院の考え方 施術法
半腱半膜様筋
最初に注目すべきは
半腱半膜様筋と腓腹筋内側頭
です。
このふたつは
膝が最も伸展した時
クロスして重なり合い
伸展状態を維持する機械的構造になっています。
反張膝の場合
更に深い伸展のために
頑丈に二筋が絡み合い
筋膜が張り付いています。
この固着を解消するためには
膝窩への刺鍼と
膝関節を挟んで上下にあたる
大腿部 下腿部の筋膜リリースが必要です。
嚢胞を消退させるには
穿刺・除去が速いですが
ベーカー嚢腫を
膝関節を正常化する指標と捉えるほうが得策です。
あなたのご来院を
心からお待ちしております。
鍼灸治療院リーチ 