筋膜リリース

筋膜リリースとは筋肉本体ではなく
それを包んでる筋膜に着目した施術方法です。
一般的なあん摩・マッサージ・指圧とは
少し違う施術です。

  1. 筋 膜
  2. 膜が接する
  3. 膜どうしの摩擦
    1. 滑走不良が起こりやすいのは
  4. 筋膜はつながる
  5. 筋膜リリースに鍼を使う
    1. 間質液の滲出
    2. 深層へ届く
  6. 脱力短縮位
    1. 脱 力
    2. 短縮位
      1. 伸びた筋肉への刺鍼
      2. 縮んだ筋肉への刺鍼

筋 膜

コリは筋肉が固まった状態と言えます。
その筋肉は筋膜で包まれています。
筋肉は繊維の束ですが
ロープのように撚られてなく
筋膜に包まれることで
方向が決められ
形がまとめられます。

その筋膜に着目して施術するのが筋膜リリースです。

膜が接する

生物は膜構造を持っています。

最小の単位の細胞膜から
組織になり
同じ働きの組織を組み合わせて
器官をつくります。

器官には役割がありそれぞれ
運動系 神経系 消化系 呼吸系 骨格系 循環系等といいます。

器官は膜で包まれます。
心臓は心膜で包まれ
消化器官もそれぞれが腹膜で包まれます。
骨にも骨膜があります。

器官と器官はその膜を境に接します。

これらの膜を総じて
「facsia(生体膜)」といい
運動系の膜である筋膜もその一つです。

膜どうしの摩擦

擦れ合う筋膜

隣り合う筋膜は運動時にこすれ合います。密接して摩擦を繰り返します。

筋膜間では間質液が潤滑剤になり滑りやすくなっていますが運動量やスピードが激しかったり長時間にわたったりすると 水分の供給が足りなくなり滑走不良を起こします。

カエルを水中でつかもうとしてもヌルヌルして逃げられますが
捕まえたカエルを空気にさらしていると皮ふの水分が失われてベトベトになりやがては全く滑らなくなります。

筋膜の滑走不良もこれに似ています。

滑走不良を起こすとどうなるか?

※イラストはイメージです。

滑走不良を起こすと
くっつきやすくなり
しわになりやすくなります。

イメージとしては食品用のラップがしわになってくっつくようなことに似ています。

さらにひどくなるとしわの部分が重なり「重積」と呼ばれる動きの悪い部分が
エコー画像診断にも映る塊を作ります。

筋膜のかたちが変わると
その中身の筋肉も影響を受け 本来のパフォーマンスを発揮できなくなります。

※筋膜どうしの「癒着」という言葉が使われることがありますが医学的には正確ではありません。癒着はもっと病的な状態を表します。

滑走不良が起こりやすいのは

・隣接する面積が広い
・狭いスペースに起始部停止部が重なる。
・使われていない動かされていない
場合です。

こういった原因となる場所を探し出し効果的に施術するのがリーチの筋膜リリースです。

筋膜はつながる

筋肉の両端は関節を挟んで
腱を介して骨に付着しています。1
始まりを起始部
終わり(遠位でより動く方)を停止部
といいます。

マッサージの考え方では施術範囲が起始部から停止部の範囲(筋腹)に限られます。

筋肉は腱になったところまでですが
筋膜リリースの考え方では
筋膜は腱も覆い骨膜までつづき
それを超えて次の筋肉の筋膜まで
つながってると考えます。

例えばふくらはぎの筋肉である腓腹筋はヒラメ筋と束になりアキレス腱として停止しますが筋膜はかかとを越え足底までつながります。

この視点で捉えると足底の状態とふくらはぎの状態 は無関係ではありません。

筋膜リリースに鍼を使う

筋膜リリースの道具は
・手
・リリースロッド
・ミオラブ®
・リリースプレート
・リリースガン
と当院で使用するものも色々あります。

必ずしも鍼を使わなければいけないというわけではありませんが鍼には他の方法にはないメリットがあります。

間質液の滲出

筋膜の内部は間質液で充満しています。
そこに鍼を刺して穴をあけると
それが外部へ滲出して
付近の滑走不足が改善され
動きが格段に良くなります。

これは鍼に即効性がある
理由のひとつであり
鍼だけができることです。

深層へ届く

鍼のもう一つの利点は
深層の筋膜に到達できることです。

根本的な原因は
深層筋(インナーマッスル)にあることが多く
刺鍼でなければ解決できないと思われます。

脱力短縮位

脱 力

筋膜リリースを
より効果的に行うためには
対象の筋肉を脱力させることが
大事です。

これはマッサージ等でも同じです。
力の入った筋肉を
揉んだり押したりしても反発されて力比べになるだけです。

筋膜も中身の筋肉が膨張することで伸長します。

例えるとしわになったラップを
引っ張ったままだと
しわを戻すことはできませんが
緩めると戻しやすくなります。
同じような現象が
筋肉を脱力することで筋膜に起こります。

短縮位

伸びた筋肉への刺鍼

筋肉は伸ばされると引き戻そうと力が入ります。そこへ鍼を打つと痛みをより感じます。

縮んだ筋肉への刺鍼

筋肉を縮んだ状態にして刺鍼すると刺激が少なく受け入れやすくなります。

当院では
効果的な施術を行うために
枕やマットを取り揃えていますが患者様本人がリラックスして脱力してもらうことが一番大事です。


あなたのご来院を
心からお待ちしております。
I will set you to Be Free.