五十肩

大阪市東成区今里 鍼灸治療院リーチです。五十肩の初期症状は肩の疾患だとせずに腕の疾患だとすることが悪化させないコツです。腕から見ていくことで早期改善を図ります。

※ここに書かれていることは目安です。確定には医師の診断が必要です。

どんな症状?

最初の痛みは腕の付け根

その名の通り
肩に痛みが出ます。
でもまず最初に症状が出る領域は
「腕」です。
その痛みのもとは上腕にあります。

この痛みは上腕二頭筋の起始部です。

上腕二頭筋(上腕の前面) と上腕三頭筋(上腕の後面)が短縮し肩関節の間隔が狭くなっています。

肩に感じた違和感を肩関節の問題として
「動かしてたらそのうち治るだろう」
とグルグルグリグリ回しているとこじらせてしまいます。
肩の痛みとせずに腕の疾患だと捉えること
悪化させない 長引かせないためには重要です。

動作時痛

五十肩の場合
腕をぶら下げているだけで
何もしないでもズキズキ痛みます。
何もしていないので安静時痛のように
思えますが
腕は7~8kgの重さがあります。
その重さをぶら下げている
筋肉の痛みの動作時痛です。

三角巾で腕を吊るすと
痛みは軽減されます。

夜間痛

急性期には夜間痛もあります。
寝てるだけでも痛いのだから
安静時痛なのでは?
いえ ちがいます。

五十肩になるような体の状態の人は
仰向けに寝ると肩がベッドから浮きます
肘はベッド面につくので
その角度を維持するために
力が入る動作時痛です。

肩の下にクッションを入れ
手をお腹の上に置く(上腕二頭筋を屈曲脱力させる)と楽になります。

患部を下にして横向きに寝ると
肩が潰されることに抗するので
力が入り痛みます。

唯一痛みのない体勢は
横向きで患部を上にして
腕を体側に沿わせてじっとしてることです。
でもちょっと動くと痛みが出るので
そのたびに目を覚まし
熟睡することができません。
お体の修復は寝ている間に
成長ホルモンが活発に出ることで行われます。
睡眠が浅くなることが
この疾患が長引く理由のひとつです。

石灰沈着性腱板炎

同じような夜間痛を伴う症状に
石灰沈着性腱板炎
があります。
こちらは安静時痛です。
体をどんなふうにしようが痛いです。
ズキズキと疼痛が続きます。
※初期症状のうちにこの区別をすることが大事です。

挙上障害

腕が上がらなくなります。
上げようとすると痛みが出るのと
同時にギシギシとつっかかる感じがあります。
五十肩の場合は他動的に人に持ち上げてもらっても上がりません。

※腱板断裂

似た症状に 腱板断裂があります。
こちらは他動的には上がります
持ち上げてもらったその手を離すと力が入らないので
ストンと落ちてしまいます。
五十肩と腱板断裂を区別することが大事です。

結帯動作障害

五十肩の症状が進むと後ろに手を回すことができなくなります。
帯を締めることができないので結帯動作障害といいます。

腕の軸を中心にした肩関節外旋ができなくなります。
胸の全面および広背筋・大円筋小円筋が拘縮しています。



※胸が開かなくなって呼吸が浅くなっていることも表しています。

この症状が出始めると慢性化している証拠です。当院では検査でこの状態をして初めて五十肩と判断しています。加療が進んでも最後まで残る症状でもあります。

好発は?

「 五十肩 」という通称の通り
50代で発症することが多かったようですが
「四十肩」 とも呼ばれるようになり
今は若年化して
30代20代でも発症することがあります。

性別差はありません。
比較的男性が多いですが
女性もなります。

原因は?

加齢が原因と言われています。

症状のひとつに腕の挙上障害があります。
日常生活では腕を肩の高さより上げることは
あまりありません。

ご自身の日常を振り返ってみてください。
洗濯物を干す
天袋に物を上げる。
ぐらいしか日常生活にはないのです。

運動しない人は
腕の挙上に関する筋肉が痩せていきます。
特に使わないのが
上腕三頭筋:肘関節を伸展させる筋肉です。
痩せて弱くなった筋肉に疲れが溜まっていくと症状に繋がります。

私見では最近の原因は
スマホではないかと思っています。

肘を曲げてずっと手で持っていると
上腕三頭筋の負担は大きいです。

一日中ゲームをしてる
フリックで打ち込んでる
と指を動かすことで負担が増します。

そして上腕三頭筋の拘縮から
上腕二頭筋の負担へとなり
肩関節の隙間が保てず
発症していくと考えられます。

横向きしか寝られない

最近は
いびきや無呼吸症候群の対策で
横向き(側臥位)で寝ることが
一部で推奨されています。

そうでなくても横向きでないと寝られない方がいらっしゃいます。

反り腰のひとは仰向き(背臥位)では寝られません。
仰向けで寝ると脚の重みで腰が引っ張られ力が入ってしまうからです。痛みを感じる場合もあります。

その横向きで寝ることも五十肩の原因です。
むしろこのことが根本的な要因になります。

横に寝ることで肩が受ける力

下になった肩には
前方に押しやられるように
体重がかかります。
そして肩関節の腱板を構成する筋肉
棘上筋・棘下筋・肩甲下筋・大円筋・小円筋・広背筋も
前方へ引っ張られその緊張が一晩中続きます。

疲れをとるための睡眠時に働かされているのです。
悪くならないはずがありません。

寝返りを打って左右をまんべんなく下になっていれば防げるかも知れませんが 過去の患者さんで右肩が発症し それをかばって左肩を下にして寝ていると左もなってしまったという人もいらっしゃいました。

本来 仰向けが一番楽に寝られる姿勢です。
ご自身の寝姿を観察してみてください。

仰向けで寝られるか?
入眠時から横向きではないか?
寝返りはしているか?
枕の高さは適切か?
布団・マットの弾力は十分か?

加齢は原因ではない

歳を取ると運動量が減って
筋肉を使わないで筋量が減る
という傾向はありますが
ただ歳をとるということだけでは
発症要因にはならないです。
筋骨隆々の方でも発症することはあります。

「加齢のせいだね」
と言われて当惑されてる方がいらしたら
ご相談ください。
もう少し詳しくお話できます。

初期症状時 自分でできること

最初に確認すること

まずケガではないこと
受傷した心当たりがないこと
腱板損傷 石灰沈着性腱板炎でないことを
確認します。(診断には整形外科の受診が必要です。)

極初期の場合には痛みが軽くても
三角巾で腕をつって生活するぐらいがいいです。
つってみると痛みがかなり軽減されるのがわかります。

自分でできるケア

痛い方の腕は机の上などに乗せて楽にします。
患側のわきへ反対側の手の親指を潜り込ませます。

その親指の先で上腕二頭筋の腱を探します。
ゲル状になってしまった間質液に埋もれ
最初は見つけられないかもしれません。
でもしつこくやれば緊張して固くなった腱を見つけることができます。
その腱を弾くようにリリースしてやります。
ある程度時間をかけます(5~10分)
そうすると… 
腕を上げてみてください。
先程よりも楽に上がります。

これだけでかなり改善されます。
おそらくその夜は痛みに邪魔されず寝られます。

でもすっきりとは治らないかもしれません。
まだ動かすと痛みが出るでしょうし
可動域も完全にはならない。
二頭筋だけでなく拮抗筋である三頭筋のリリースも必要です。
発症から時間が経ってる場合は他にもリリースを必要とします。


あなたのご来院を
心からお待ちしております